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医学部受験のストレス

受験勉強にストレスや不安を抱いていることに

問題を解決するためのプロセスにおいて、一番初めに行うべきは「問題点の認識」です。ここでいう問題はストレスや不安を抱くことを指しますが、メンタルを安定させて受験に臨むためにはこの問題をまず認識するところから取り組む必要があります。このストレスや不安を自らで認識できる場合には問題がないかもしれませんが、感情を無視して無理をしてしまう人もいます。受験勉強は長期戦なので、無理することなくメンタルケアを行う必要があります。

感情が不安定になる

受験勉強に打ち込み過ぎていると、突然理由なく涙が出てきたり怒りっぽくなったり、場合によっては不安な気持ちが強くなって眠れなくなるなどといった変化が生まれることがあります。これらは受験勉強の疲れからストレスを受け、感情が不安定になっているサインです。自分の中にある心のキャパシティがストレスで埋まってしまい余裕がなくなると気持ちの整理ができなくなってしまいます。キャパオーバーの状態になると感情のコントロールが利かず、身体にも変化が出てきます。

頭痛・眼痛がする

受験勉強は相当な集中力を必要とするうえに、そこにかける時間がとても多くなるため体力が必要です。勉強の姿勢をずっと維持しようと思うと身体的負担が大きいほか、眼にも大きな負担がかかってしまいます。眼精疲労が蓄積すると頭痛や眼痛を引き起こすことがあり、ひどい場合には一時的な視力低下や吐き気・めまいなどの症状が出ることもあります。さらに視力は20代を過ぎて定着するともいわれていますので、視力低下を起こさないためにも眼は十分にケアするようにしましょう。

些細なことにイライラしてしまう

受験勉強でストレスが溜まると余裕がなくなってしまい、些細なことでイライラしてしまうようになります。勉強がうまくいかないことに対するイラつきがきっかけになったとしても、それ以外の勉強と無関係の出来事に対しても気が短くなってしまい感情のコントロールができなくなります。普段よりイライラするように感じる場合、ストレスが溜まりだしているサインですので注意が必要です。

受験ストレスの原因は主な3つ

問題解決を進めて行く過程において、問題を認識できたら次は要因分析を行います。そのためには前提となる原因を突き止める必要がありますが、ここでは「ストレスが溜まる原因」「不安に感じる要因」について紹介します。原因・要因を知ったうえで対策を検討することが問題解決に向けた近道ですので、要因分析は非常に重要なプロセスとなります。

勉強へのモチベーションの維持

受験勉強は取り掛かってから本番までが非常に長く、相当な体力が必要になります。必要なのは勉強を続けられる体力だけではなく、その間勉強に向けたモチベーションを維持し続けるだけの精神力も欠かせません。勉強に限らずですが、長期間モチベーションを維持するということは非常に難しく、ゴールまでの途中に立てる目標や気分転換などを交えながら勉強に取り組まなければ走り切ることはできないでしょう。しなければいけないことは分かっているけどやる気が出ない、という状況になるとモチベーションが低下してしまい、どんどん悪い方向へ向かっていってしまいます。

受験生の間で競争し比較される・してしまう

一人で勉強を続けていると孤独感からモチベーションの維持が非常に大変ですが、同級生や友達・他の受験生との勉強を行えば解決するという問題でもありません。切磋琢磨しながら勉強に励めるというのはメリットの一つではありますが、一方で相対的な評価を受けることによるストレスを感じるきっかけにもなってしまいます。周囲との競争・比較によって順位付けをされた時、思った通りの結果が出ていれば安心材料になるでしょう。しかし反対に思うような結果が出ない場合、不安な気持ちが大きくなってしまうので、注意が必要です。

周囲からのプレッシャーを感じる

受験は受験生の人生を左右する大きなイベントですが、先生や保護者からの期待を背負うケースも少なくありません。学校の生徒が有名大学に進学したとなると先生方は鼻高々ですし、我が子が偏差値の高い学校に進学したとなると保護者も誇らしく思うでしょう。大きな期待をかけられるということはその分自分が頑張らないといけないという状態に立たされることになりますので、強いプレッシャーを感じることになるでしょう。そのようなプレッシャーを受け続けると精神的な負担が大きくなり、ストレスが蓄積されます。

受験を不安に感じる理由は4つ

受験に向けてはストレスを感じるだけでなく、強い不安な気持ちを抱える受験生も少なくありません。もし簡単に合格できるような大学を志望しているのであればそのような気持ちを抱えることはないでしょうが、医学部をはじめとしたハードルの高い学部の受験を控えている場合には「受かるだろうか」「落ちないだろうか」などの大きな不安を感じるでしょう。その大学に入りたいという気持ちが強ければ強いほど不安も大きくなります。

模試の判定が悪かった

受験勉強は長い期間継続して続けることになりますので、人によって伸びる時期・伸び悩む時期があります。一般的には「夏に部活を引退してから」や「夏休みを越えた秋ごろ」「現役生の場合は直線まで」などと言われることがありますが、その時期になっても成績が上がらず不安に思う方もいるでしょう。特に模試では判定という定量的な評価が付けられますので、その判定が悪いと不安は大きくなってしまいます。あくまでも模試の判定は参考情報であることを理解し、振り返り・復習に取り組むことが重要です。

自分の努力が足りないと感じる

勉強をしなければいけないと思えば思うほど向き合えないという方も多いのではないでしょうか。特に現代ではスマートフォンで気軽に動画を視聴できたりと誘惑が多いです。ダラダラ過ごしてしまった後に「無駄な時間を過ごしてしまった」と自己嫌悪の感情が湧き上がってくることもあるでしょう。焦りを感じながらも勉強していないという状況を経験した受験生は少なくありません。リフレッシュの時間が重要なのも事実ですので、うまくメリハリを付けながら適度に息抜きすることは許容しましょう。

周りと比べてしまう

受験勉強における伸び具合は人によって大きく異なりますし、結果が現れるタイミングもみんながみんな同じではありません。小中学校の勉強であれば真面目にやっていればある程度良い成績は取れますが、高校での学習は量も難しさもレベルが違います。他人の学習状況や伸び具合を見て不安になる受験生も少なくないとは思いますが、人によって成長スピードが違うことをしっかりと理解したうえで学習に取り組むようにしましょう。

特に理由はないけどとにかく不安

不安に思う中で最も厄介なのが「特に理由はないけど不安」という状況です。低気圧や体調不良、女性の場合においてはホルモンバランスの乱れなどさまざまな要因から不安な気持ちになってしまうことがあります。こういった場合には不安に感じる原因の特定が非常に難しいので、どういうタイミングで不安な気持ちになったかを記録してみることをおすすめします。自分の身体やメンタルの傾向を把握することができるようになると、それに応じた対策を考えることが可能になります。

ストレスとうまく付き合おう

受験勉強においてストレスを感じた場合、すぐさま解消できるとは限りません。そのためどのようにストレスとうまく付き合うかは受験勉強を続けていくために必要なポイントであり、身体・精神ともに勉強を続けられる状態を維持するためには自分にあったケア方法を見つけなければいけません。ここでは効果的な方法をいくつか紹介しますので、ぜひチェックしておいて下さい。

これまでのストレス対処法を振り返る

高校生にもなると17年や18年もの人生経験がありますので、その中でストレスに対処した経験も少なからずあるのではないでしょうか。過去に行った対処法を振り返ってみて、効果のあったものを試してみるというのも対策の一つになります。代表的な対処法としては短期的な目標を立てること、睡眠をしっかりとること、ポジティブシンキングを意識することなどがありますので、改めて自分に合った対処法を見つけるようにしましょう。

あらかじめストレス対処法を考えておく

受験勉強を進めて行く中において全くストレスを感じないという受験生はほぼいないでしょう。そのためストレスは感じるものだという前提のもと、あらかじめストレス対処法を考えておくことも効果的です。先生や先輩など過去に受験戦争を乗り越えてきた人たちにどういう対処法を取っていたか聞いてみるのもよいでしょう。時には勉強せずに休むという判断が吉と出ることもあります。きちんとメリハリをつけて勉強に集中できるよう、環境を整えておきましょう。

ストレスに対処できる「ストレスコーピング」とは?

ストレスコーピングとは、アメリカの心理学者ラザルスが提唱した理論であり、直訳すると「ストレス対処法」になります。ストレスの基「ストレッサー」に意図的な対処を行うものであり、大きく分けると「問題焦点型」と「情動焦点型」の2つがあります。問題焦点型はストレッサーに対して直接対処する方法になりますが、情動焦点型はどちらかというとストレス反応への対処法です。このストレスコーピングによって、「ストレスとうまく付き合える状態」をつくることができます。

手法 問題焦点型 情動焦点型
認知的再評価型 気晴らし型
内容 直接問題にアプローチする 直面している問題の捉え方を変える 問題には触れずに気分転換する
回避行動をとる
対応例 明日締め切りの仕事をストレスに感じていたらすぐ片付ける 明日締め切りだけどむしろ集中できるチャンスととらえる ジョギングやサウナに行く/音楽を聴く/映画を見る
仕事が大変だから代わってもらう/配置転換をお願いする 緊張や不安を深呼吸で落ち着かせる

参照元:https://doda.jp/woman/guide/100moya/088.html

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