医学部受験生を持つ親には悩みがつきもの。
子供にどう接すればいいのか、合格後に心配な学費や一人暮らしの場合の生活費。
予備校や万が一浪人した場合の対処法など、経済的な問題からお子さまのメンタルケアまで、不安は幅広く存在します。
ここでは医学部を目指すお子さまをサポートするときに起こる、保護者の悩みを見てみましょう。
受験勉強は不安と緊張の連続。
体力的にも精神的にも追い込まれる子供に、どんな声をかければいいのかと悩む保護者の方は多くいます。
普段の声かけや子供と接するときの態度について、気をつけたいポイントはあるのでしょうか。
まず日常的に経済的な話や、志望校に関する口出しはしないようにしましょう。
子供が一番、自分の家庭の経済状況や、学力と志望校との差を気にしているもの。
しかし、追い打ちをかけるように親からこのような話題をふってしまうと、子供のモチベーションを下げてしまい学力低下にもつながりかねません。
もし成績が思うように上がらなくても、励ますよりそっと見守る姿勢を保つほうがベター。
逆に子供から成績や志望校に関する悩みを持ちかけられたときは、しっかり向き合って話を聞いてあげましょう。
医学部への進学には、大きな経済的負担が待ち構えているというイメージを抱くかもしれません。
たしかに私立大医学部の学費は、高額な医学部ともなると4,000万~5,000万円になることも。
加えて寄付金や実験実習費、教科書代、諸会費など、さまざまな費用がかかります。
医学部の学費は高いというイメージも、あながち間違いではないでしょう。
私立大医学部の経済的負担が大きな一方で、国公立大学の6年間の学費総額は400万円弱で収まります。
一人暮らしをする場合の生活費や教科書代などは含まれていませんが、難易度の高い国公立の医学部受験に合格すれば、私立よりははるかに安く進学が可能です。
また私大の医学部でも、最近ではさまざまな学生が入りやすいよう学費を下げるなど、方針転換する大学もあります。
したがって今は、サラリーマン家庭の平均年収でも医学部進学を目指せる時代と言えそうです。
経済的な不安があるなら、医学部進学ならではの支援制度を活用するのもひとつの手です。
私立大学医学部には、学費の減免や免除を受けられる特待生制度があるほか、日本学生支援機構をはじめ、自治体や病院の奨学金制度も用意されています。
銀行や信用金庫、日本政策金融公庫の教育ローンを利用する方法もあるでしょう。
私立大医学部への進学となると、3,000万円程度の資金は必要です。
しかし卒業後、医師として働き始めれば5~10年で数千万円の返済を終わらせることも不可能ではありません。
医学部の学生のうち、4割にも満たないと言われている現役合格者。
つまり、およそ60%以上を浪人生が占めており、医学部受験の難易度の高さがうかがえます。
また浪人回数の割合も、1浪27%、2浪14%、3浪7%となっており、年数を重ねてようやく合格を勝ち取る学生も少なくありません。
もし不合格となった場合、本人のやる気さえ維持できれば宅浪でも合格は目指せます。
しかし予備校などを活用したほうが、効率よく受験勉強を進められることはたしかです。
もし遠方の大学に進学する場合、経済的に不安という声もよく聞かれます。
実家を離れて一人暮らしをするとなれば、家賃や水道光熱費、食費、通信費など月15万円程度は見込まなければなりません。
医学部生は国家試験の勉強が忙しく実習も続くため、アルバイトで生活費をすべてまかなうことは困難。
したがって奨学金を利用するほか、親のサポートも重要になるでしょう。
なお一人暮らし自体に不安を抱く保護者もいますが、進学はお子さまが成長する良い機会です。
独り立ちのきっかけだと考え、送り出してあげてください。
大学と自治体が提携して実施している推薦入試のひとつで、授業料の全額免除が受けられます。
医学部受験生を持つ親である以上、悩みが尽きることはなかなかありません。
高額な学費や生活費の工面から、受験生の保護者としてどうサポートしていくのかなど、進学後も不安になることがあるでしょう。
このとき、ひとりで抱え込むのではなく、周囲に信頼できる人や相談できる環境を作っておくことが大切。
祖父母や同じ受験生を持つ親に相談したり、医学部受験のプロである予備校の窓口でアドバイスをもらったりするのも一案です。