医学部を目指すため、浪人を選択する受験生は多いです。浪人すれば勉強時間を確保しやすく、志望校合格に近づく可能性に期待できます。ただ、その一方で、浪人にはデメリットもあり、人によっては浪人生活で苦しい思いをする可能性があります。この記事では、医学部を目指して浪人生になるメリット・デメリットを紹介します。
医学部受験で浪人を選択する最大のメリットです。家庭の事情や生活環境にもよりますが、浪人することにより、医学部を目指すための時間を確保しやすくなります。医師になるためには、医学部に進学して学ぶほか選択肢はありません。将来医師になりたいのであれば、浪人して時間をしっかり確保して、受験を突破する必要があります。
浪人をせず、就職や大学に進学しながらも医学部を目指して勉強する場合、勉強時間の確保は困難です。医学部という高い壁を突破するには、やはり相応の勉強時間は必要になります。その点浪人は勉強時間を確保しやすく、医学部を目指すのに有利です。
浪人すれば、1年近くの勉強時間が確保できます。時間を有効活用すれば、現在目指している大学か、あるいはもっと上位の大学に入学できるかもしれません。もちろん絶対ではありませんが、1年の猶予は選択肢の幅を広げるには十分な時間です。
浪人した場合、生活は勉強中心になります。勉強の合間に、自分の将来やキャリアについて考える機会もあるでしょう。医学部を目指すべきかどうか、あるいはほかの道に進むべきかどうかなど、自分の将来像を見つめ直す機会にもなります。
ただし「勉強が嫌だから医学部はやめよう」といったネガティブな理由での進路変更は好ましくありません。高い志を持ち、そのなかで進むべき道を見極めましょう。
人それぞれ環境は異なりますが、浪人生活は多かれ少なかれ周囲の人に理解してもらう必要があります。浪人してもいいかどうか両親に聞く、勉強に集中できる環境を作ってもらう、食事や家事などをやってもらうなど、周囲の人のサポートが必要です。
浪人生活はお金がかかります。アルバイトをしない場合、貯金から支払うか、あるいは家族に負担してもらうことになります。食費、生活費、模試代、参考書や塾代など、ただ勉強するだけといっても意外と出費はかさむものです。
浪人生活は、精神的な負担があります。たとえば「勉強しなければならない」というプレッシャーや「周囲に支えてもらってばかり申し訳ない」という罪悪感があげられます。
また、一度受験に失敗しているという現実や、模試の成績の上がり下がりによって「また失敗するのではないか?」と不安になってしまい、思うように勉強の成果がでない人もいます。
さらに、伸びしろが大きく、どんどん成績が上がる現役生を見て、焦りや不安を覚えるケースもあるでしょう。そうした重圧をうまくコントロールし、悔しさを糧に成長する胆力が必要です。
浪人すれば必ず成績が伸びるかと思いきや、必ずしもそうとは言い切れません。なかには「去年はそこそこ成績がよかったら、まだ勉強しなくて大丈夫」といった油断から、勉強を先延ばしにしてしまうのです。
高校3年生になって本格的に勉強を始めた現役生に比べたら、勉強時間の合計も成績も勝っているかもしれませんが、こうした油断によってどんどん成績が落ちてしまう浪人生は多いので注意が必要です。