自治医科大学は、1972年に僻地医療と地域医療の充実を目的として設立された大学です。名目上は私立大学となっていますが、実際には現在の総務省が設置した、事実上の公設民営大学となっています。
地域医療の充実を謳っており、医学部の入試に関しては各都道府県の定員枠(2名ないし3名)に基づいて選抜するという方針を採用。入学後は寮に入り、みっちりと医学についての指導を受けることになります。授業の密度は高く、近年では全国公私立の医学部・医科大学の中で高い医師国家試験の合格率を誇っており、受験者の合格率100パーセントを記録した年も複数あるほどです。
教育の特徴として、臨床実習に重点を置いていることが挙げられます。臨床実習のための共用試験(CBT・OSCE)を3年次に行い、4年次から病棟実習を行うというスタンスです。
卒業後は採用枠都道府県の定めに基づき、公立病院を中心に、9年間にわたって地域医療に従事することが求められています。なお、6年間の学費は2,200万円程度となっていますが、在学中は貸与され、卒業後に9年間指定公立病院などに勤務すれば返還が免除されるというシステムです。
募集人員(医学科) | 123名 |
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試験日程 | 学力試験令和5年1月23日(月)、面接試験 1月24日(火)または令和5年1月31日(火) |
試験科目 | 1次試験:数学I,II,III,A,B(数列・ベクトル) 、物理基礎・物理、化学基礎・化学、生物基礎・生物、コミュニケーション英語I,II,III、英語表現I,II 2次試験:数学I,II,III,A,B(数列・ベクトル) 、コミュニケーション英語I,II,III、英語表現I,II 集団面接、個人面接 |
年度 | 募集定員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 |
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2022年 | 123 名 | 2,179名 | 2,093名 | 123 名 |
上記の倍率に驚きましたでしょうか。
ですが、倍率はさほど重要ではありません。
偏差値70の受験生が多い受験校の倍率2倍と偏差値60の受験生が多い受験校の倍率10倍では、天地の差で難易度が変わります。
ただ、医学部受験には万全の体制で臨む受験生が圧倒的にいることに変わりはありません。
難関志望校合格を確実にするためにも、在籍生や卒業生から高い評価を獲得している全国の医学部予備校を検討してみてはいかがでしょうか。
※非公開
年度 | 統 計 | 新 卒 | 既 卒 |
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2022年 | 100% | 100% | なし |
2021年 | 100% | 100% | なし |
自治医科大学医学部では、「修学資金貸与制度」と「奨学資金貸与制度」という二つの制度を設け、学生をバックアップしています。
「修学資金貸与制度」は、「自治医科大学医学部修学資金貸与規程」に基づき、入学者全員に必ず学生納付金相当額及び入学時学業準備費を貸与するというもの。
入学手続きの際には「修学資金貸与契約書」を提出し、大学との貸与契約を締結します。
この制度によって、入学時に入学金、授業料などを準備する必要がなくなります。
ここで貸与された修学資金は大学を卒業後すぐ、修学生の第1次試験の試験地がある都道府県知事の意見をもとに 指定される公立病院などに医師として勤務し、勤務期間が修学資金の貸与を受けた期間の1.5倍に相当する期間に達した場合は返還が免除されます。
6年学んだ際には、勤務期間は9年間となります。
なお、その勤務期間のうち2分の1は、知事が指定するへき地の指定公立病院などに勤務する必要があります。
条件を満たせなかった場合は、貸与された金額にプラスして所定の利率を乗じて得た額を加え、一括返還が求められます。
自治医科大学医学部には、奨学資金貸与制度もあります。
奨学資金は生活費の一部を貸与することで、経済面での支援をしていくもの。
申請に基づき無条件で月額50,000円を貸与します。
家庭の経済状況や学業成績などから選考をし、月額最高で150,000円までを無利息で貸与してもらえる制度もあります。
なお、奨学金は卒業後9年以内に割賦(毎年6月および12月の半年賦均等償還)にて返還していくことになります。
奨学制度名 |
奨学資金貸与制度 |
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種別 | 貸与奨学金 |
金額 | 50,000円〜150,000円(月額) |
期間 | 貸与・給付開始の年月から卒業、または修了予定の最短年月までの期間 |
対象 | 申請者 |
全寮制の環境で、勉学に打ち込める
自治医科大学医学部は全国の医学部で早く解剖学実習が始まります。
体力的に大変なところもあるのですが、医者になるという自覚を早く持てる大学だと言えます。
勉強の量は非常に多く、大学とは思えないほど教授のサポートが手厚くなっています。
講義のコマ数も他大学に比べ圧倒的に多くなっています。
寮にはラウンジ制度があり、部屋に近い人同士でグループを作って一緒に勉強をすることも可能。
全寮制なので、いろいろな面で助け合うことができます。
仲間同士の絆も深まり、医者を目指して勉学に集中するには、適した環境だと言えそうです。
大変な面もあるが、良い大学
休みも短く、他大学とカリキュラムが違う上にかなり授業のスピードは速いです。
しかしその分実習でかなりの経験を積めるので、しっかりと勉強して医師になりたい方にとっては最高だと思います。
施設も充実しているので、学ぶことに困ったことはありませんね。
ただ周りに何もないので、車は必須なのがちょっと辛いとこでしょうか。