近年、少子化により子供1人に対する教育費が増加傾向にあり、中学生から教育に力を入れているケースが増加*。学費が多少厳しくても、安定した職業というイメージが強い「医師」の道へ進ませようという家庭が以前よりも増えています。そのため、特に国公立医学部では2浪3浪は珍しくなく、私立医学部や東大受験よりも難関だと言われています。
医学部受験者は、国公立を目指す人も私立医学部も受験するわけですから、尚更医学部全体の難易度が上がってきていると言えます。これほど難関である医学部受験を勝ち抜くには、「いつから準備するか」というのがとても重要になってくるのです。
医学部の中でも「最難関」と言われている大学の合格者、その蓋を開けてみると、中高一貫校出身の受験者が多いというのはご存知ですか?*これを聞くと、現在中高一貫校に通っていない中学生の医学部希望者は肩を落としてしまいそうですが、これが間違いなく現実です。なぜ医学部合格者には中高一貫校出身者が多いのでしょうか。
ではなぜ、中高一貫校出身者に最難関医学部合格者が多いのでしょうか。実は、ここに医学部受験の合格の大きなヒントが隠されています。
医学部を目指すような偏差値が高い中高一貫校は、当然勉強に力を入れています。その点については、中高一貫校以外でも同じとも言えますが、実際には大きく差が出てきます。
一般的な公立中学などに比べると、中間一貫校では在学生の偏差値が一定以上です。そのため、公立中学の生徒たちと比べると、学力にそこまでの差が生じません。理解に時間がかかる生徒に寄り添った授業をする必要がなく、ある程度のハイペースで授業を進めることが可能となってきます。
このハイペースで授業を進められるというのは、医学部受験にとってとても有利な材料です。中高一貫校の強みとして、この「ハイペースで授業を進める」ということにより、医学部受験対策の英語や数学により重点を置いた勉強をする余裕ができる、理解を深めるための時間を多く作ることができるという、「医学部受験対策において大切な勉強時間を創出できること」があげられます。
また、小学校や中学受験を勧める「進学に対する意識が強い親」がいることで、「医学部に行きたい子供」との意識のずれなども少なく、苦手克服にも講習に参加させるなど、積極的に早期対策をとることもできます。
この親の意識というのもとても大切で、「いかに親が子供の苦手部分の対策を助けてあげるか」というのも医学部受験において重要な点でもあります。
もちろん、公立中学出身学生の親でも意識が高い方々もたくさんいます。ただ、本当に中高一貫校に子供を通わせている親と同じくらいの意識を持っているかと考えると、明らかに「将来に対する対策を考える時期に差がある」のは事実です。中高一貫校や、小中高一貫校に通わせている親は、もちろん金銭的な余裕もありますが、それぞれ「小学校に入る何年か前」「中学に入る何年か前」からしっかりとした計画を親が自ら立てて、実行に移すということをしています。
そのため中高一貫校の生徒たちは、「中学に入ってから」ではなく、基礎部分を作る「小学生の段階から」将来を見据えた勉強をしていることになります。
中高一貫校の学生は小学生の時期からコツコツと実際に勉強をして合格を勝ち取っているわけですから、「勉強をする習慣」が子供に身についています。この「勉強する習慣」はとても大切で、中学、高校での勉強にも影響してきます。
これを考えると、「小学校から高い意識を持って勉強し、勉強習慣が身についている」のが中高一貫校の生徒だというわけです。ここにさらに、ハイペース・ハイレベルな授業がついてくるので、中高一貫校出身者に最難関医学部合格者が多いというのも頷ける事実です。
早い段階から勉強することは、多くのメリットを生み出します。もし、あなたのお子さんが中高一貫校に通っていなかったとしても、今すぐに受験を意識して勉強することで対策は十分に立てられます。
中学生の段階から「医学部受験を意識した勉強」をすることで、「高校から医学部を目指す受験生」よりも早く対策を立てることができるので、「早い段階から医学部受験対策を始める」だけで、受験で有利な状況を作り出すことができるのです。
人格形成の大切な時期にある子供達にとって、「目標」を明確に持てて、さらに応援してくれる親や先生がいることは、1つの明確な目標を軸にして生活を組み立てやすく、目標達成に向けて走りやすい環境です。また、医学部専門の予備校に通うことで、同じ意識を持った友人を作ることもできます。同じ目標を持ってお互いに励まし合うことが出来る友人は、学校の友人よりも心地よいと感じる場合もあるでしょうし、長く付き合う友人となる可能性も十分に有り得ます。そしてそんな友人同士で成績を競い合ったりするうちに、勉強そのものが「ゲーム感覚で楽しいもの」という意識を持てる場合もあるのです。
医学部の受験対策を中学から始めることで、勉強の習慣が身につくことはもちろんですが、実はこれにより他のメリットも生み出します。
学生生活はもちろん、「がむしゃら」になって勉強だけしていれば良いわけではありません。学生生活は、小学校も中学校も高校も、もちろん大学も社会に出る前の大切な人格形成に関わる期間です。そのため勉強だけでなく、医師になってからもとても大切な、友人や先輩との人間関係の築き方などを学生生活の中で試行錯誤しながら学んでいく時期でもあります。
「医学部受験生」である前に、「学生」である彼らにも、将来の人格形成のために勉強だけでなく、学生生活を謳歌してほしいというのも親の願いでもあります。
中学から医学部の受験対策をすることは、効率の良い勉強習慣が身につくことにより、学生生活を謳歌できる余裕ができるという事も大きなメリットだと言えます。
ここまででわかるように、「医学部受験」というのは、スタート地点を決めるのは親だと言っても良いでしょう。
医学部を目指していれば、いざ「他に行きたい」となったとしても決して無駄にはなりません。本人が苦しむことなく、楽しい学生生活を謳歌し、切磋琢磨できる友人を作りながら「医学部」という目標に進めるように親ができることは、環境を整えることです。
できるだけ早いスタートを切れるように、中学生の段階から「医学部専門の予備校」の利用の検討はもちろん、「目標の明確化」「勉強の習慣化」がしやすい環境を整えてあげましょう。
「医学部合格」を目指すのはとても難しく、早い準備が必要です。高校生ではもちろん当たり前のことですが、中学生向けの「医学部受験」を目指す予備校も存在します。
医学部というのは大学により出題傾向が異なり、医学部受験に特化した予備校では、いち早くその情報を入手することが出来ます。先生方は受験教育のプロですから、独学で広い範囲を勉強するよりも効率よく、効果的な勉強ができます。
また、子供にとっても「医学部受験専門の予備校」に中学生から通うことで、「医学部を目指すんだ」という明確なで具体的な目標が定まります。先生との面談を重ねていけば、親の意思ではなく「自分の意思」で行きたい大学も設定できるかもしれません。