確実に合格するための医学部の選び方には、いくつかのポイントがあります。たとえば偏差値だけで大学を選ぶと受験に失敗しやすく、せっかく合格できたはずの大学に入れないということが起きてしまうのです。キーワードは「相性」。自分とぴったり合った医学部の選び方を、ポイントごとに解説します。
志望校を絞り込む際に自分の偏差値と大学の合格者平均偏差値を比べたり、模試の判定結果を見て、大学を選定する人は少なくありません。
確かに偏差値はひとつの目安になりますが、偏差値だけを見て志望校を決めるという選び方をすると、受験に失敗する危険があるということをまずは覚えておきましょう。
というのも同じ偏差値レベルの大学で、試験科目が同じでも、科目ごとの配点バランスが大学によって大きく異なるからです。
同じ英語に配点を大きくしている大学もあれば、面接や小論文の配点を上げている大学などもあります。
受験生はそれぞれに得意科目と苦手科目があります。
となると、得意科目の配点が大きい大学を選べば、より合格に近づけるということなのです。
逆に得意科目の配点が低い大学を志望校に選ぶと、合格はより難しくなります。
重要なのは偏差値レベルではなく、その大学の入試において配点バランスがどうなっているかをチェックする、という医学部の選び方をすることです。
医学部に合格するには、まず自分の得意・不得意を正確に比較した上で、得意分野を活かせる、または苦手科目の配点が低い入試を行う大学を選ぶこと。
また配点バランスは毎年のように変更されるので、大学の入試情報をできるだけ収集し、過去の傾向と合わせて入試対策を行う必要もあります。
これらをしっかり行っておけば、たとえ偏差値が届いていない医学部でも、合格する可能性は十分にあるといえます。
全ての教科をまんべんなく学ぶには、受験生活は短すぎます。
限られた時間の中で効率よく必要な知識を身につけ合格を勝ち取るには、大学ごとの出題傾向を把握して志望校を決め、志望校の入試に求められる知識を重点的に学習することで受験を有利に運ぶことです。
医学部とひとことに言っても、大学によって出題傾向は様々です。
科目ごとの採点配分はもちろん、記述式が多いのか、マークシート中心なのか、出題数が多い・少ないなど、出題傾向をできるだけ把握できるよう情報を集めることが大切です。
たとえば数多い問題をスピーディーに解く瞬発力はないけれど、時間をかければしっかり解けるという人は、出題数の少ない大学や記述式の大学を選んだり、英語は得意だけど理数系は苦手という人は、数学の配点が低く英語の配点が高い大学を選ぶといった具合です。
こうした情報を独自に入手するのは大変なので、医学部専門の予備校に通い情報収集することが効率的です。
自分の得意科目を活かして苦手科目のマイナスを軽減し、適性にあった「相性のいい医学部」を導き出す選び方をすれば、限られた時間の中でどこに重点を置いて勉強すればいいかか見えてきます。
志望校の選定に関わる入試での科目や配点バランスは、毎年のように変更されていますので、常に最新情報をアップデートして対策を練ることが大切です。
また受験の日程や募集人数も変動がありますので、特に併願する人は入試日程を十分確認した上で受験スケジュールを立てる必要があります。
もうひとつ気をつけたいのが、倍率のサイクルです。
医学部受験は毎年熾烈な闘いが繰り広げられますので、少しでも入りやすい大学を探して受験生が流動します。
すると、昨年度に倍率が低かった大学は合格しやすいと考えられ、翌年は反動で受験者数が増加する傾向があります。
逆に昨年度の倍率が高かった大学は、敬遠されて倍率が下がることも。
こうした1年ごとの倍率のアップダウンを把握して、志望校がどんなサイクルで倍率をアップダウンさせているかを把握しておきましょう。