1点差が命運を分ける医学部受験の熾烈な戦いを勝ち抜くためには、志望校の医学部入試情報を把握し、志望校に合わせた受験勉強をすることが重要です。まずは激化し続ける医学部受験の現状を知り、志望校の入試情報を入手する方法を確認しましょう。
医学部受験を考える前にまず知っておいてほしいのは、「医学部受験は他の学部に比べていちじるしく競争率が高く、超がつくほど難関である」ということです。
特に保護者の方が医学部出身なら、当時の受験事情と比べると格段に難易度が上がっていると認識しておいていただきたいのです。
慢性的な医師不足を解消するため、政府は2008年度より全国の医学部で入学枠を拡大する規制緩和措置を実施。
その影響で、ここ5年連続で医学部の定員増が続いており、2012年度の医学部総定員は8,991人と5年前より1000人以上増えた計算になります。
「それならチャンスが増えているじゃないか」と思うでしょうが、定員増によってこれまでの受験に二の足を踏んでいた人や、理工系から転向してきた人などが医学部受験に挑むようになるなど、人気は高まる一方。
全国で医学部をめざす志願者は10万人にのぼり、わずか1点が合否を分ける大激戦が続いています。
また医学部受験には一般入試、推薦入試、AO入試、編入試験などさまざまな種類があり、どの入試の枠で定員を増やすのかは大学によってまちまち。
特に多いのが「地域枠」と呼ばれる、出願資格や卒業後の勤務地に制限がある入試枠で、地域医療を支える人材の確保をめざして、地域枠を増員する大学も多いようです。
志望校の希望する入試枠が増員されていなければ、たとえ全体が定員増であっても意味がありません。
こうした現状が、医学部受験が突出して難しくなっている理由といえます。
他の学部と比べても突出して難しいといわれる医学部。
難関を突破して、何が何でも医学部合格を実現したい!と願うなら、まずは志望校を絞りこむことが先決です。
というのも、医学部入試は大学によって大きく異なるからです。
国公立と私立の違いはもちろん、入試の種類や必須科目、試験日、科目の配点、出題の特徴、解答形式など、大学によってさまざま。
志望校の絞り込みは偏差値によって判断しがちですが、同じ偏差値の大学でも得意科目の配点が多いか少ないかによって、結果に大差が出てしまいかねません。
わずか1点の差が合否を分ける厳しい受験戦争の中を勝ち抜くには、志望校でどんな入試が行われるのか、医学部入試情報をできるだけ正確に把握し、志望校の入試に照準を絞った受験対策ができるかどうかがカギとなります。
「医学部受験は情報戦」といわれるのも、最新の入試情報を入手できるかどうかが命運を分けるからなのです。