受験生誰しもが目指す、高偏差値の医学部。実は医師の世界はかなりの学歴社会なので、偏差値が高い学部に行けばいくほど就職に有利に働いたり、活躍の場が広がる傾向もあります。ここでは偏差値が高い5大学の医学部をランキング形式で紹介します(2019年時点)。国公立は私立と比べ学費が非常に安いので、希望者が多く、人気もどんどん上昇しています。
東大医学部は約150年の歴史があり、日本で二番目に古い医学校。
著名な卒業生も多く輩出しており、中でも基礎医学研究においては高い評価を受けています。
東大合格者は約3,000人ですが、そのうち理科Ⅲ類はたった100人。
二次試験に国語があり、面接がないなど、医学部にしては珍しい試験科目・配点制度を採用しています。
1,2年次は教養学部に所属し知識を幅広く習得、3年次から医学部に進み基礎医学や衛生学を学びます。
4年目に臨床医学を学び、5,6年次はほとんどの講義・実習を東大付属病院で行い、現場でのスキルを身に付けていきます。
募集定員 | 受験者数 | 合格者数 | |
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前期日程 | 98名 | 450名 | 98名 |
後期日程 | — | — | — |
満点 | 550点 |
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最高点 | 最低点 | 平均点 |
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497.9点 | 385.4点 | 410.8点 |
前 期 日 程 |
センター試験 | ■5教科7科目(110点満点 ※900点を110点に換算) 外国語(英、独、仏、中、韓から1科目):200点 数学(数Ⅰ及び(数Ⅱ・工業数理・簿記会計・情報関係基礎から1科目)):200点 国語:200点 理科(物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰ、地学Ⅰから2科目):200点 社会(世界史B、日本史B、地理B、倫理・政経から1科目):100点 |
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2次試験 | ■4教科(440点満点) 外国語(英ⅠⅡ・リーディング・ライティング、独、仏、中から1科目):120点 数学(数ⅠⅡⅢABC):120点 国語(国語総合、国語表現Ⅰ):80点 理科(物理ⅠⅡ、化学ⅠⅡ、生物ⅠⅡ、地学ⅠⅡから2科目):120点 | |
備考 | ・募集は前期のみ ・二次試験の英語リスニング試験は英・独・仏・中・露・西・韓から選択できる。 |
研究職などへの道も開いている
やはり授業のレベルが高く、教授がおこなう講義も興味深い内容ばかりです。授業は難解ではありますが、教え方がうまい先生が多い印象。また、理系学部生にとっては施設が充実していることもあり、研究に打ち込める環境でもあると思います。そういった点では自分の学びたいテーマがはっきりしている学生にとっては最適といえる環境ではないでしょうか。また、卒業後に一流企業に就職する学生は多いように感じます。そのほか、メーカーや製薬会社などの研究職に就くことも可能です。
外部提携の授業も多く充実していた
日本でも最高レベルの大学ということもあり、やはり授業の内容はすごく濃密なものでした。外部の講師やその分野のプロフェッショナルを招へいして講義をおこなうこともあり、オープンな環境で学ぶことができました。4年次に自身が所属する研究室が決まるのですが、研究したいテーマに合わせた幅広い選択肢があると思いました。建物は歴史ある大学ということで、多少年季が入っていますが、学業面で充実した学生生活が送れると思います。
上記の倍率に驚きましたでしょうか。ですが、倍率はさほど重要ではありません。 偏差値70の受験生が多い受験校の倍率2倍と偏差値60の受験生が多い受験校の倍率10倍では、天地の差で難易度が変わります。
ただ、医学部受験には万全の体制で臨む受験生が圧倒的にいることに変わりはありません。難関志望校合格を確実にするためにも、在籍生や卒業生から高い評価を 獲得している全国の医学部予備校を検討してみてはいかがでしょうか。
上位国立医大が研究者養成を目指しているのに対し、慶応義塾大学医学部は臨床医育成に力を入れているのが特徴。4年生頃からは学生自ら興味のあるテーマを選んで研究する「自主学習」というユニークなカリキュラムもあるのも私立ならでは。 1年次には一般教養と介護施設等での研修、2年次から基礎医学に入っていきます。3年次では生物学・社会学の観点から医療を学び、4年次に臨床医学、5,6年次は付属病院や関連病院での臨床実習が主です。 また、優秀な学生は6年次に欧米の医療機関で1ヶ月間臨床実習に参加するプログラムがあります。
募集定員 | 受験者数 | 合格者数 | |
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前期日程 | 68名 | 1487名 | 144名 |
後期日程 | — | — | — |
満点 | 500点 |
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最高点 | 最低点 | 平均点 |
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非公表 | 287点 | 非公表 |
前 期 日 程 |
センター試験 | ■3教科4科目+面接小論文(500点満点) 英語(ⅠⅡ・リーディング・ライティング):150点 数学(ⅠⅡⅢABC):150点 理科(物理ⅠⅡ、化学ⅠⅡ、生物ⅠⅡから2科目選択):200点 |
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2次試験 | 面接 小論文 | |
備考 | ・センター利用試験なし |
業界の重要人物からレクチャーが受けられる
基本的には放任主義的な校風だと思います。しかし、自分が求めれば学ぶ機会は多くある環境です。それだけに自分が主体的に学ぶ姿勢が求められると思います。臨床研究など、医学の各分野で重要な存在の方々が授業をしてくれる点は大きなメリット。知識を学べるだけでなく、実際に第一線で働くプロの姿勢を肌で感じられたのは貴重な体験でした。部活動をしている学生も多く、開放的な環境で学べるのではないでしょうか。
学生同士のつながりが強い
部活動など授業以外の活動もおこなっている学生が多く、先輩と後輩のつながりが強い大学だと思います。また、授業やクラブなどでほかの学生と交流する機会もあるため、全体的に仲が良い印象です。みんなでサポートしあいながら、勉強することができました。授業に関しては、プロから直々に指導してもらえるため申し分ありません。研究活動も希望すれば早い年次から始めることもできるため、自分が掘り下げたい分野があれば学べることが多い学部でしょう。
京都大学医学部は、東大に次ぐ難易度を誇る国公立大。
日本のみならず世界をリードする医師・研究者になるべく6年間学んでいきます。
医学指導の開始も早く、1年時から基礎医学生物実習、外来患者支援実習が開始。
2年次には基礎医学を、3年次からは臨床医学も交えてより深く学んでいきます。
5,6年次は付属病院や関連病院で臨床実習を行い、最新医療に順応できる医師を目指します。
4年次には海外の大学研究機関に配属されたり、国内で指導教員の助言のもと研究を行うコースがあり、研究成果によっては国内外の学会で発表する事もあります。
募集定員 | 受験者数 | 合格者数 | |
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前期日程 | 107名 | 309名 | 112名 |
後期日程 | — | — | — |
満点 (前期) |
1250点 |
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最高点 | 最低点 | 平均点 |
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1072.85点 | 900.90点 | 957.07点 |
前 期 日 程 |
センター試験 | ■5教科7科目 250点満点 外国語(英、独、仏、中、韓から1科目):50点 数学(数ⅠA・数ⅡB):50点 国語:50点 理科(物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰから2科目):50点 社会(世界史B、日本史B、地理Bから1科目):50点 |
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2次試験 | ■4教科5科目 1,050点満点 外国語(英ⅠⅡ、独、仏、中などから1科目):300点 数学(数ⅠⅡⅢABC):250点 国語(国語総合、現代文、古典):150点 理科(物理、化学、生物から2科目)300点 面接:50点 | |
備考 | ・募集は前期のみ |
充実した教育設備に満足
医学に関連する書籍専門の図書館もあり、実験設備なども豊富に整っています。学ぶために必要なものは揃っていると思います。また、人体の解剖をする機会があるなど、京都大学にいたからこそ得られるような経験もできました。ハイレベルな大学で競争が激しいかというとそうではなく、教授も学生のペースに合わせて指導してくれる印象でした。医師としての志がある方であれば、おすすめできる学部です。
1年次から看護技術の演習も
大学病院の勤務医から学ぶ機会もあり、医師として現場で働くことへのイメージが深められます。また、高度な内容について研究している教授も多く、医学を学ぶ場としてはとても充実しているのではないかと思います。1〜2年次は座学が多いと思われがちですが、1年次から演習をおこなうことも。看護で必要となる技術を早期に学べる点もメリットだと思います。夏季休暇には病院でおこなう実習もあり、座学と実習のバランスがよくとれた学部ではないでしょうか。
大阪大学医学部は、優秀な臨床医や国内外で活躍する研究者が多く在籍し、その下で教育を受けられるのが魅力。
21世紀を牽引する遺伝子医療・再生医療・ロボット医療に力を入れており、先端医療が学べる学習環境が整っています。
1年次は基礎医学、2年次で実習と他校より早く現場に出て学べるのが特徴。
3年次には医学8領域から1科目を選択する機会があり、4年次は翌年の病棟実習に備え臨床講義を学びます。
5年次は内科・外科・救急・麻酔科を中心に実習、6年次ではそれ以外の診療科と、在学中にかなりの科を網羅することが出来ます。
募集定員 | 受験者数 | 合格者数 | |
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前期日程 | 85名 | 232名 | 85名 |
後期日程 | 15名 | 30名 | 15名 |
満点 (前期) |
1100点 |
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満点 (後期) |
950点 |
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最高点 | 最低点 | 平均点 | |
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センター試験 | 487.10点 | 419.30点 | 464.71点 |
2次試験 | 535.00点 | 393.00点 | 442.71点 |
前 期 日 程 |
センター試験 | ■5教科7科目 500点満点 外国語(英(リスニングあり)、独、仏、中、韓から1科目):100点 数学(数ⅠAおよび(数ⅡB・工業数理・簿記会計・情報関係基礎から1科目)):100点 国語:100点 理科(物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰから2科目):100点 社会:地理歴史、公民から1科目:前期100点、後期50点 |
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2次試験 | ■3教科4科目+面接 600点満点+α 英語(英ⅠⅡ・リーディング・ライティング)200点 数学(数ⅠⅡⅢABC):200点 理科(物理ⅠⅡ、化学ⅠⅡ、生物ⅠⅡ、から2科目):200点 面接 | |
備考 | ・面接の点数配分は非公表 ・倍率が3倍を超えるとセンター試験による2段階選抜を実施 | |
後 期 日 程 |
センター試験 | 前期と同様 |
2次試験 | 小論文:450点 面接:500点 | |
備考 | ・学力試験はなし |
落ち着いて学べる環境
キャンパスは閑静なエリアに位置しているため、腰をすえて勉強できる環境だと感じています。24時間開放されている自習室があるため、学ぶ場所と時間に悩む必要はありません。また、医学部といっても1年次はほかの学部生とキャンパスが同じなので、学部を超えて交流できる機会も多くあります。研究室では自分の興味がある分野を学ぶチャンスも多々あります。
臨床実習でアドバンテージも
大阪大学の医学部は、大阪府内の病院と提携して臨床実習をおこなっているため、実習で多くを学びやすいという利点があります。また、将来自分が勤務を希望する病院を考えられる絶好の機会にも。大学内の研究設備も充実。長い歴史をもつキャンパスではありますが、イノベーションセンターなど新設された施設も多く、先端医学を学ぶには適しているといえるでしょう。希望すれば、1年次からゼミに入ることも可能です。世界的な研究をしている教授から直々に学ぶこともできます。
東京医科歯科大学には医学部・歯学部・教養学部がある医歯学系の総合大学。
医学部と歯学部の相乗効果を図るため、学生生活では学部隔てなく一緒に学ぶ機会を多く設けています。
ハーバード大医学部と提携をし、国内だけでなく海外でも活躍できるよう人材の育成に注力しています。
1年次は教養教育が中心、その後3年間は生態と病気のメカニズムを学びます。
4年次には興味のある分野について最長6ヶ月研究に勤しむ期間もあります。
5年次以降は4週間ごとのローテーションで様々な医療機関で臨床実習。
幅広い経験と知識が6年間で身につきます。
募集定員 | 受験者数 | 合格者数 | |
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前期日程 | 82名 | 322名 | 90名 |
後期日程 | 15名 | 37名 | 16名 |
満点 (前期) |
540点 |
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満点 (後期) |
540点 |
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最高点 | 最低点 | 平均点 | |
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前期日程 | 454.60点 | 367.40点 | 387.51点 |
後期日程 | 公表なし | — | — |
前 期 日 程 |
センター試験 | ■5教科7科目 180点満点 外国語(英、独、仏、中、韓から1科目、リスニングあり):40点 数学(数ⅠAおよび(数ⅡB・工業数理・簿記会計・情報関係基礎から1科目)):40点 国語:40点 理科(物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰから2科目):40点 社会(地理歴史、公民から1科目):20点 |
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2次試験 | ■3教科4科目+面接 360点満点 外国語(英ⅠⅡ、リーディング・ライティング):120点 数学(ⅠⅡⅢABC):120点 理科(物理ⅠⅡ、化学ⅠⅡ、生物ⅠⅡから2科目):120点 面接 | |
備考 | ・面接は学力検査等との総合評価となる。 | |
後 期 日 程 |
センター試験 | ■4教科6科目 500点満点 外国語(英、独、仏、中、韓から1科目、リスニングあり):125点 数学(数ⅠAおよび(数ⅡB・工業数理・簿記会計・情報関係基礎から1科目)):125点 国語:125点 理科(物理Ⅰ、化学Ⅰ、生物Ⅰから2科目):125点 |
2次試験 | 小論文:100点 面接:100点 | |
備考 | 二次試験の学科なし |
授業以外でも勉強が必要
1年次のみ授業がおこなわれるキャンパスが異なるため、通学時には少し負担になるかもしれません。実習をおこなうための設備や自習室などもあり、医師になるために必要な環境は整っているといえます。授業内容はレベルが高く、教授の個性が色濃く出る講義も。課題は少ないですが、成績を維持するためには授業以外で勉強をする必要があるでしょう。ゼミでは卒論の指導をこまかくおこなってくれます。自身の研究したい内容がはっきりしていれば、基本的には関連する研究室に入ることができると思います。
海外で医学を学ぶチャンスも
海外に出て研究活動ができるなど、留学をするチャンスも提供されている大学だと思います。また、4年次には研究室で自分のテーマを掘り下げて十分に研究できる時期があります。ほかの必修授業はほぼないため、この時期までにやりたい研究項目をある程度決めておくことをおすすめします。卒業後の進路はさまざまで就職する人もいれば、院に進学する学生もいました。