小論文と面接は2次試験に行われるため、どうしても準備を後回しにしがち。でも受験が近づくほど他科目に時間を取られてしまうので、余裕のある春頃から着手することをおすすめします。特に医療関連から社会問題まで守備範囲が広い試験ですから、日頃からメディアをチェックして見聞を広めたり、考えをまとめるなど生活丸ごと使って準備を進めましょう。
医学部受験で出題される小論文には、課題文を読んで論述するもの、地域医療や生殖医療など医師としての問題意識を問うもの、抽象的なテーマを論文に落とし込むもの、社会問題に関するものなど多岐にわたります。
いずれも「将来医師になる自分」を前提に表現する試験ですので、医師を目指す自分がどう思うか、何を感じるのかを具体的な文章に落とし込むことは、一夜漬けの準備ではとてもできません。
小論文対策に欠かせないのは、日頃から何度も何度もくり返し書く訓練です。
他の科目で時間が取られる前、受験勉強をスタートさせる春のうちに一度とり組んでみて、自分がどのくらい書けるのか確認してみましょう。
その上で志望校の過去問を試したり、予備校の講座などでプロに添削してもらうなどしてレベルアップをはかりましょう。
また「なぜ医師になりたいのか」「どんな医師になりたいか」など、自分なりにテーマを書き出して、論文をまとめておくと面接対策にもなります。
医学部受験では与えられたテーマに対して600〜800字の論文にまとめる出題形式が大半です。限られた時間に指定の文字数内で的確に論述するには、しっかりとした文章の構成力が求められます。小論文の基本的な構成は以下の通り。
テーマをもとに大まかな構成を考え、自分の意見を論理的にまとめるトレーニングを積むことが大切です。
小論文のテーマは地域医療やインフォームドコンセント、生殖医療といった医療に直結したテーマや、なぜ自分は医師になりたいのか、医師としてどうありたいのかといった医療従事者としての人間性を問うものなどが中心になります。また「この写真を見て何を思うか」といった抽象的な問題でも医療、医師、患者などに置き換えて論述する必要があります。
医学部受験の面接は、医療従事者としての人間性をチェックすることを目的としています。
コミュニケーション能力や、他人や社会に開かれた人材であるかといったことが試されますが、こうした能力は一朝一夕で身に付くものではありません。
面接対策は場慣れが命。
過去問や問題集などを参考に、家族や友人などに協力してもらって模擬面接をくり返しましょう。
またクラスメイトでも近所の人でもいいので、普段から挨拶するなど積極的にコミュニケーションを取るクセをつけておくこと。
面接対策で培ったコミュニケーション能力は、医師になったときに必ずプラスになる力ですから、努力を惜しまず継続することが大切と言えます。
面接では志望動機と自己PRは必ず聞かれるので、答えをあらかじめ準備しておくのは必須です。またぶっつけ本番だと当日の体調や緊張具合で普段できることができなくなることがあるので、質疑応答をシミュレーションして答えを用意しておくこと。また当日は服装や言葉づかい、立ち居振る舞いなど、マナー面も評価の対象になるので注意しましょう。