大学に入学するにはさまざまな手段・方法がありますが、このページでは「公募推薦」に焦点をあてて紹介・解説していきます。医学部浪人であっても出願要件を満たすことにより公募推薦を受験することが可能ですので、どういった出願要件があるのか、どの大学が公募推薦で受験できるのかなどについて紹介・解説していきます。ぜひ参考にしてください。
公募推薦とは大学側が定める基準を満たし、所属する高校の校長から推薦を受けることで出願できる入試制度のことをいいます。大学側が定める出願条件さえ満たせばどの高校の生徒で合っても出願できることに加え、高校ごとの上限などが設定されない場合には定員などを気にする必要がないといった特徴・メリットのある制度です。倍率が低くてねらい目といわれることもありますが、近年一般入試の定員厳格化に伴い年々倍率は上昇傾向にあります。
「公募推薦」と「一般入試」には受験の種類や合否の評価項目、出願要件、試験の実施時期などさまざまな違いがあります。ここでは中でも特徴的な違いについていくつか紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
公募推薦は「出願要件を満たしており、所属する高校の校長から推薦を受ければ出願できる」と紹介しましたが、出願要件を満たせない場合には受験することができません。したがってどういった出願要件があるのか、自分はそれを満たしているのかどうかをチェックしておく必要があります。
浪人生であっても、大学が定めた卒業時期に該当していれば公募推薦で受験をすることが可能です。具体的な例として「高等学校又は中等教育学校を卒業した者及び令和●年3月卒業見込みの者」「通常の課程による12年の学校教育を修了した者及び令和●年3月修了見込みの者」「文部科学大臣が高等学校の課程と同等の課程を有するものとして認定した在外 教育施設の当該課程を修了した者及び令和●年3月31日までに修了見込みの者」などとされることが多いです。また、場合によっては卒業年度に制限がかけられていないケースや「令和●年度~●年度に卒業した」などで制限をかけるケースもあります。
公募推薦における受験資格に「評定平均」があります。評定平均は高校3年間の成績を数字で表したものであり、大学の出願要件に「評定平均値●以上~」と定めがある場合、これを上回る評定平均値でない限り受験することができません。したがって高校在学中における自身の評定平均をきちんと把握し、受験資格があるかどうかを確認する必要があります。
公募推薦で受験するにあたってもっとも重要といっても過言ではないのが卒業した高校の学校長からの推薦を受けることです。また、公募推薦には「校内推進枠」というものもあり、大学が「公募推薦は2名まで」などの指定を行ってきた場合には校内選考を通過しなければいけません。校内選考は高校生活における成績や活動内容、志望理由などを総合的に評価されますが、この学校長からの推薦が受けられない場合には公募推薦で受験することができなくなってしまいます。
公募推薦は一般入試よりも一足早く選考が行われることが一般的です。募集要項などは6月~7月にかけて発表され、8月~10月ごろに願書が配布されます。出願期間は11月以降となり、11月中に選考実施・12月中に合格発表という流れが基本になります。一般入試は1月~3月ごろに行われますので、この入試日程・スケジュールも公募推薦と一般入試の大きな違いとなっています。
公募推薦は基本的に専願受験となります。専願受験とは「合格した場合は必ずその学校に入学することを前提とした受験方式」のことをいいますので、公募推薦を滑り止めのような形で受験することはできません。しかしながら一部の大学においては併願を認めているケースもあります。公募推薦で受験を考えている方は、受験する大学が併願を認めているかどうか確認しておくことをおすすめします。
それでは具体的にどういった大学が公募推薦で受験できるのでしょうか。個別具体的な大学名をいくつか紹介しますので、ぜひチェックして進路決定の参考にしてください。なお、紹介する学校は2024年11月調査時点の情報です。
旭川医科大学/北海道大学/東北大学/東京大学/東京医科歯科大学/横浜市立大学/名古屋大学/京都大学/大阪大学/神戸大学/岡山大学/広島大学など
岩手歯科大学/昭和大学/帝京大学/東京医科大学/愛知医科大学/関西医科大学/近畿大学/兵庫医科大学/久留米大学医学部/福岡大学など
公募推薦を受験するためには出願要件や学校長の推薦など越えなければならないハードルがあり、卒業校に推薦書を依頼する・提出書類の準備などさまざまな対応が必要になりますので、事前にしっかりと情報を整理して出願準備を進めるようにしましょう。医学部浪人が公募推薦で現役受験生よりも有利になる点の一つとして、面接練習や小論文対策に十分な時間をかけられることが挙げられます。しっかりと準備をして、合格を目指して頑張りましょう。