総合型選抜(旧AO入試)は、学力だけではなく総合力で評価する入試形式です。現役の高校生だけでなく、浪人生でも受験できます。むしろ浪人生に有利という見方もできる受験形式です。ここでは、総合型選抜(旧AO入試)が医学部浪人に有利な理由について紹介します。入試方式を選ぶ際に参考にしてください。
総合型選抜は、2021年度から導入された入試方式で、大学が求める学生像に合う人物を選抜する試験です。志望理由書、面接、小論文などを通じて、学力だけでなく、意欲や将来の可能性も評価されます。旧AO入試と異なり、学力も合否判断の材料です。評定平均値や資格・検定試験の成績が出願条件になることもあります。重視されているのは、「学力の3要素」です。知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度が重視され、より総合的・多面的な評価が行われます。
総合型選抜(旧AO入試)は、浪人生にとって有利な側面があります。浪人生であれば、有利なポイントを知って活かしたいところです。ここでは、総合型選抜を受験する際に浪人生が有利な理由を紹介します。試験方式の選択や受験対策に活かしてください。
浪人生は、高校卒業後から入試までの期間を有効に活用できます。志望大学のアドミッション・ポリシーを深く理解し、自己分析を徹底的に行うための時間を活かしましょう。志望理由書や小論文の作成スキルを磨く時間も十分にあります。
さらに、ボランティア活動や資格取得など、自己アピールに繋がる経験を積む機会も多くあります。面接や提出書類で自身の成長や意欲を示す材料です。
総合型選抜は総合評価のため、浪人中の活動が評価につながる可能性があります。浪人期間中、多くの学生は単に受験勉強に励むだけでなく、様々な経験を積む機会があります。たとえば、長期のボランティア活動、インターンシップ、海外留学、資格取得などです。これらの活動は、志望する学部や将来の目標に関連していれば、特に高く評価される可能性があります。
また、浪人中の自己分析や進路再考の過程も、志望理由書や面接で深みのある回答につながります。こうした経験や成長は、高校生には難しい「社会性」や「目的意識の明確さ」として評価され、総合型選抜で重視される「学力の3要素」のうち、特に主体性や協働性の面でアピールポイントとなり得るのです。
総合型選抜は、単なる学力テストの点数だけでなく、志願者の多様な能力や経験が重視されます。浪人生は、高校卒業後の1年間で様々な活動に参加する機会があり、これらの経験が評価の対象となることは既に述べた通りです。総合型選抜では、活動実績が学力より高く評価される傾向があります。高校時代には得難い貴重な経験として評価され、学力以上に志願者の潜在能力や将来性を示す材料となる可能性が高いのです。
医学部浪人生が総合型選抜を選ぶと、浪人期間中に志望動機を掘り下げボランティアなどの活動実績を積むことができ、有利です。ただし、募集枠が少ないことや総合力が求められることなど、デメリットもあります。受験のためだけにボランティア活動をするといった選択をすると、総合力を評価してもらうという本質から外れてしまうだけではなく、選択肢を減らすことにもなりかねません。浪人生に有利だからと安易に選択するのではなく、自分が総合型選抜に向いているかどうかを考えて選ぶことが大切です。