一般入試より受かりやすいといわれる医学部の推薦入試。最近ではさまざまなタイプの入試が行われていますが、推薦入試は本当に受かりやすいのでしょうか?まずは推薦入試をタイプごとに理解し、傾向と対策をチェックしましょう。
多くの医学部で導入している推薦入試ですが、指定高校だけが受けられる指定校制や公募制など、さまざまなタイプがあります。
一般的に「推薦入試は一般入試より楽できる、受かりやすい」と思われがちですが、残念ながら医学部の推薦入試についてはノーと言うしかありません。
例えば、国公立大学の医学部推薦入試は、高校の評定平均値が5段階評価で4.3以上という厳しい基準が課せられていることが多く、難易度が高いのが実情です。
また内定をもらえてもセンター試験を受ける必要があり、大学によっては一般入試より厳しいところもあるほどです。
一方、私立大学の医学部推薦入試は一般入試と比べて倍率が低いというメリットはありますが、試験レベルは一般入試と大きく変わることはないため、一般入試と同様の受験勉強が必要されます。
推薦入試は受かりやすいということは決してなく、難関であることに変わりはありません。
ただ、一般入試だけよりはチャンスが広がるという認識で取り組むのがいいでしょう。
推薦入試の特徴として、科目ごとの学力の他に、面接や小論文の結果が重視される傾向があります。
大学によっては推薦入試とは違う形で面接を行うとこもあるので、大学ごとの推薦入試の傾向をできるだけ早く把握し、早めに受験対策をとることが先決です。
医学部の推薦入試にはいくつかの形式があります。それぞれの特徴や条件などを把握しておきましょう。
大学が指定した高校だけが出願できる入試。私立大学の入試で多く採用されています。大学から直接高校に連絡があり、募集要項も高校を通じて配布されるため、まずは自分の通う高校が指定校になっているかどうかを確認してみましょう。
条件を満たしていれば、全国どこの高校からでも出願できる入試。公募の場合は入試日程や科目などの受験情報が公開されているので、情報を入手して対策を練ることができます。国公立大学の多くで採用されていますが、高校の評定平均値が5段階評価で4.3以上という厳しい基準が課せられていることが多く、一般入試より難易度が高いといわれています。また内定をもらっても、センター試験を受験する必要があります。
出願資格を地元出身者に限定した推薦入試。私立大学で最近増加している傾向がありますが、出身地や卒業後の一定期間を指定病院や大学所在地域で勤務することが義務づけられるなど、さまざまな条件があります。
面接や入学志願書など、大学独自の入試形態で合否を決める推薦入試。私立大学で採用されているケースが多いタイプです。学力以外の要素で判断される割合が高いというメリットがありますが、志望校にAO入試が行われていない場合や、募集人数が限られているケースもあります。
最近の医学部受験で大きな傾向といえるのが、「地域枠」の増加です。
地域医療における慢性的な医師不足を解消するために増員する大学が多く、国公立はもちろん私立でも積極的に取り入れるようになりました。
地域枠は推薦入試でも増加傾向にあり、志望者の出身地が限定されるなどの条件があるため、どの大学でも地域枠は倍率が低めになっています。
絶対合格を目指す人にとっては、条件さえ満たせば大きなチャンスと言える地域枠。
その地域でがんばりたいという熱意があれば、たとえ学力が足りなくても合格できる可能性は十分にあります。
大学によっては夏頃から小論文を提出したり、市長・町長・村長との面談が行われるなど、早期から様々な課題が出されます。
それらに時間を取られてしまうので、併願する場合は地域枠で受験するかどうかしっかり検討することが大切です。