多額の費用が必要となる医学部受験。
経済的に安定している家庭でないと、受験から入学後の学費、生活費の用意まで保護者がお子さまを十分にサポートできない可能性があります。
シングルマザーの家庭が医学部受験を目指すには、支援制度や受験環境について早めに調べておくことが大切です。
医学部受験を目指すお子さまのことは、できる限りサポートしてあげたいもの。
家族で取り組む医学部受験は、時間も気力も費用もかかります。
お子さまが途中で挫折せず最後まで応援できるよう、健康管理や精神的なサポートのコツをご紹介します。
受験は体力勝負です。
学校に予備校、自学自習と、お子さまは休む間もなく受験勉強に集中しなければなりません。
このとき生活リズムが狂ったり食生活が乱れたりすると、体調に影響が出るおそれがあります。
病気になってしまっては、日々の勉強どころか試験本番で成果を発揮できない可能性もあるでしょう。
長丁場となる受験だからこそ、日々の体調管理が大切。
保護者として生活リズムの乱れがないよう見守るほか、栄養を考えた食事を用意するなど、体調管理に気を配ってあげてください。
難易度が高い医学部受験は、受験勉強も過酷です。
「国公立大学に合格しなければ医学部に進学できない」「志望校に合格できなかったらどうしよう」、お子さまは常に不安と戦いながら受験勉強をしています。
その様子を見ていると、当然保護者も不安になるもの。タイムリミットのある医学部受験は緊張の連続です。時には成績が伸び悩み、モチベーションが低下してしまうこともあります。
このときプレッシャーはかけず、休むよう勧めたり、気分転換に短時間でも外出に誘ったりと、メンタル面でのリフレッシュをサポートしてはいかがでしょう。
医学部を受験する学生は、ほとんどが医師の子どもというイメージがあるかもしれません。
たしかに親の病院を継ぐため、あるいは期待に応えるため医学部受験を志す子どもは多くいます。
しかし、医者をはじめエリート家庭でなくても、医学部にはさまざまな家庭から進学可能です。
シングルマザーの家庭で経済的に不安があっても、医学部受験にはさまざまな支援制度が存在しています。
学費をはじめ生活費や通学費など、まとまった金額が必要な医学部ならではの制度も豊富。
うまく活用すれば、私立の医学部でも進学の可能性が見えてくるでしょう。
学費を気にすることなく進学できるうれしい推薦入学制度です。
合格すれば学費の免除が受けられるため、家計に不安のある家庭でも無理なく医学部を卒業することができます。
しかし地域枠にはデメリットも。
医師免許を取得後、一定期間はその大学のある都道府県の指定医療機関に勤めなければなりません。
また在学期間の1.5倍となる9年間、地方の病院で医療に携わることが学費免除の条件。
このため医師としての将来に制限があったり、そもそも地域枠を設けていない大学もあったりするので要注意です。
国や自治体では、大学進学のため独自の奨学金制度を設けています。
よく知られているのは、国が運営する日本学生支援機構の貸与型奨学金。
世帯収入や成績によって無利子でまとまった奨学金を受けられる場合があり、それ以外の学生も有利子で利用可能です。
なお自治体の場合、金額は月額10,000~50,000円程度が多いようですが、なかには奨学金制度がない市区町村もあります。
返済が必要な貸与型奨学金もあれば、返済義務不要の給付型奨学金もあるため、住所地の自治体の情報を確認しておきましょう。
経済的に不安のある家庭であれば、金融機関の学資ローンを活用するのも一案です。
学資ローンは奨学金と比べて大きなメリットがあります。
奨学金は無利子または低利子で利用できる反面、審査に時間がかかるほか、支給が受けられない場合もしばしば。
その点、学資ローンは保証人が必要で奨学金より金利が高めなものの、必要なタイミングにお金を用意することができます。
高額な学費が必要となる私立医学部では、成績優秀者に対して学費の減額や免除をする特待制度、学費免除制度が設けられています。
入学試験の成績や入学後の成績によって特待生は決定。
採用されると学費の全額や半額、数百万円単位で給付を受けられるなど大きなメリットがあります。
ただ、制度に当てはまる成績上位に食い込むのはかなり難しいのが実情です。
シングルマザーの家庭で医学部受験を目指すとき、経済的にも精神的にも保護者のサポートは欠かせません。
学費を用意するためのさまざまな支援制度は、早い段階から検討すること。
もちろん、お子さまの体調管理やメンタルケアも親の大切な役目です。
一方で学習面でのサポートは、医学部予備校の活用を検討しても良いかもしれません。