choice 医学部合格への道 Road to Success

Road 02 国公立と私立の医学部
どちらを目指す?

医学部でも国公立と私立では偏差値や倍率、学費、受験科目など、あらゆる意味で大きく違います。特に国公立は受験科目が多くなるため、国公立を受けるかどうかで志望校の選定や受験のスケジュールが大幅に変わるといえます。まずはそれぞれの違いを知り、どちらを受験するのかを考えましょう。

国公立と私立の違いを把握しよう

医学部を目指す場合、最初の分岐点は国公立の医学部か、それとも私立の医学部を目指すか、という点です。同じ医学部受験でも、国公立と私立では受験科目も出題傾向も全く異なります。それぞれの特徴と違いを把握して、どちらを受験するのか検討してみましょう。

偏差値は国公立、倍率は私立

医学部受験にあたっては、偏差値を元に志望校の難易度を判断しがちです。偏差値だけですと、国公立の医学部の方が圧倒的に私立より高いといえます。例えば、2012年度の国公立医学部の偏差値ランキングによると、トップの東京大学の74.8を筆頭に、上位8校が70以上だったのに対し、私立は慶應義塾大学と東京慈恵会医大の2校のみです。

私立の医学部の場合は、大学によって受験科目や出題傾向に特徴がありますが、国公立は基礎知識を求められるため、全ての科目の成績を万遍なく高める必要があります。おまけにセンター試験で全科目の合計点の85~90%以上を取らなければなりません。私立に比べて学費が安いというメリットがある反面、総合的な学力の高さが求められるというハンディがあります。

私立の医学部は少ない科目で受験できるというメリットがありますが、近年の慢性的な医師不足を解消するため、政府は2008年度より医学部の定員を増やす規制緩和策を実施。その影響で全国の医学部が定員増となり、結果として医学部受験を目指す志願者が急増するという現象が起きています。たとえば私立の医学部では埼玉医科大学が29.2倍、東海大学が23.7倍、聖マリアンナ医科大学が23.5倍と軒並み20倍以上。私立の医学部では倍率が年々上がっており、超難関といえます。

有名国立・公立の医学部の偏差値

2014年現在
No 大学 国立/公立 平均
偏差値
1 東京大学(理Ⅲ) 国立 79
2 京都大学 国立 78
3 大阪大学 国立 76
4 東京医科歯科大学 国立 74
5 名古屋大学 国立 74
6 北海道大学 国立 73
7 東北大学 国立 73
8 千葉大学 国立 73
9 京都府立医科大学 公立 73
10 神戸大学 国立 73
11 九州大学 国立 73
12 筑波大学 国立 72
13 横浜市立大学 公立 72
14 山梨大学 国立 72
15 大阪市立大学 公立 72
16 熊本大学 国立 72
17 金沢大学 国立 71
18 岐阜大学 国立 71
19 三重大学 国立 71
20 奈良県立医科大学 公立 71
21 和歌山県立医科大学 公立 71
22 岡山大学 国立 71
23 広島大学 国立 71
24 奈良県立医科大学 公立 71
25 和歌山県立医科大学 公立 71
26 岡山大学 国立 71
27 広島大学 国立 71
No 大学 国立/公立 平均
偏差値
28 札幌医科大学 公立 70
29 新潟大学 国立 70
30 信州大学 国立 70
31 名古屋市立大学 公立 70
32 滋賀医科大学 国立 70
33 徳島大学 国立 70
34 鹿児島大学 国立 70
35 群馬大学 国立 69
36 富山大学 国立 69
37 浜松医科大学 国立 69
38 鳥取大学 国立 69
39 山口大学 国立 69
40 愛媛大学 国立 69
41 旭川医科大学 国立 68
42 弘前大学 国立 68
43 山形大学 国立 68
44 福井大学 国立 68
45 島根大学 国立 68
46 香川大学 国立 68
47 大分大学 国立 68
48 宮崎大学 国立 68
49 秋田大学 国立 67
50 高知大学 国立 67
51 佐賀大学 国立 67
52 琉球大学 国立 67
53 福島県立医科大学 公立 66
※こちらの偏差値は、平均の数値です。ご参考としてみてください。

有名私立の医学部の偏差値

2014年現在
No 大学 平均
偏差値
1 慶應義塾大学 74
2 順天堂大学 71
3 自治医科大学 70
4 昭和大学 70
5 東京慈恵会医科大学 70
6 大阪医科大学 70
7 関西医科大学 69
8 東京医科大学 68
9 東邦大学 68
10 日本医科大学 68
11 日本大学 67
12 近畿大学 67
13 北里大学 66
14 杏林大学 66
15 愛知医科大学 66
No 大学 平均
偏差値
16 兵庫医科大学 66
17 久留米大学 66
18 埼玉医科大学 65
19 金沢医科大学 65
20 藤田保健衛生大学 65
21 産業医科大学 65
22 福岡大学 65
23 岩手医科大学 64
24 獨協医科大学 64
25 帝京大学 64
26 東海大学 64
27 東京女子医科大学 64
28 川崎医科大学 63
29 聖マリアンナ医科大学 63
※こちらの偏差値は、平均の数値です。ご参考としてみてください。

学費の高さは 国公立<私立

国公立の医学部が人気なのは、なんといっても学費の安さにあります。国立の医学部で6年間に収める学費は、およそ350万円。これが私立の医学部になると、最も高額な川崎医科大学で6年間の学費総額が4565万円、金沢医科歯科大学で3950万円など、多くの医学部で3000~5000万円の学費を必要とされます。実に国立の10倍以上という、高額な学費です。

有名医学部の学費

2014年現在
No 大学 学費
1 国立大学医学部平均 350万円
2 私立学医学部平均 760万円
3 順天堂大学 2080万円
4 慶応義塾大学 2156万円
5 昭和大学 2200万円
6 東京慈恵会医科大学 2250万円
7 自治医科大学 2260万円
8 東邦大学 2580万円
9 日本医科大学 2770万円
10 関西医科大学 2770万円
11 東京医科大学 2940万円
12 産業医科大学 3049万円
13 大阪医科大学 3141万円
14 久留米大学 3220万円
15 東京女子医科大学 3284万円
16 日本大学 3310万円
No 大学 学費
17 岩手医科大学 3400万円
18 聖マリアンナ医科大学 3440万円
19 近畿大学 3580万円
20 獨協医科大学 3660万円
21 杏林大学 3700万円
22 兵庫医科大学 3700万円
23 埼玉医科大学 3700万円
24 帝京大学 3750万円
25 東海大学 3760万円
26 福岡大学 3777万円
27 愛知医科大学 3800万円
28 藤田保健衛生大学 3800万円
29 北里大学 3890万円
30 金沢医科大学 3950万円
31 川崎医科大学 4716万円
※こちらの費用は、本サイトで調べて計算したもので、程度としてみてください。正確には各大学でご確認ください。また、奨学金や大学の独自で行っている給付型の奨学金もありますので、そちらも各大学のサイトでご確認ください。

入試教科は私立の方が少ない

国公立の医学部ではセンター試験を受験するため、5教科7科目の試験を受け、その合計点の高さが問われます。一方、私立の医学部は大学によって異なるものの、3教科が主流。自分の得意分野に絞って受験が受けられますが、同じ教科でも大学ごとに出題傾向が違いますので注意が必要です。

学費を考えれば国公立の医学部が魅力的。偏差値だけ見れば私立の医学部の方が手が届きそう。それでも、学費や偏差値だけで志望校を絞ることはできません。学力や得意・不得意な分野、大学の特徴や自分の適性などを考慮しながら志望校を絞り込み、大学にあわせて学習方法を変えていくことが大切だといえます。

有名国立・公立の医学部志願者数と倍率

2017年度の国公立大学医学部の志願者を見てみると、西日本の大学では志願者数が増加していました。一方、中国地方では年々減少傾向にあり、全国をみてもその志願者数は地域によって様々なようです。

また、都市部の国公立大学よりも地方の国公立大学のほうが倍率が高くなっている傾向にあるようです。地方の大学は地元出身者が多く、また、都市部在住者たちは合格する可能性の高い地方を狙って受験する人が多いため、必然的に倍率が上がっています。
ただし、地方の国公立大学の定員は都市部と比べて少ないことがほとんどなので、地方の国公立大学の倍率は高くなっています。

次に、国公立の前期試験と後期試験の志願者数ですが、こちらは前期試験のほうが多くなっています。ほとんどの国公立大学が前期試験を実施していることが多く、後期試験を実施する国公立大学の数はそこまで多くないのが事実です。中には後期試験を廃止する大学も出てきているため、後期試験の受験を考えている人は事前に情報を収集しておきましょう。

こういったことから、前期と後期の倍率については後期試験のほうが高くなることになります。多くの大学が実施する前期試験よりも、後期試験を実施する大学は少なく、定員が前期よりも少ないことが理由として挙げられます。たとえ受験する人数が減ったとしても、定員が大幅に減少してしまうため、倍率が高くなってしまうというわけですね。

最後に、難関大学の倍率に関してですが、国公立大学のなかでも偏差値が高く超難関といわれている大学に関しては、倍率が低くなる傾向にあります。これは、「合格する可能性が高い大学を確実に受かりたい」という受験生の考えが関係していると言えるでしょう。

国公立大学の志願者数と倍率の傾向をまとめると、

  • ・地方と都市では、地方のほうが倍率が高い
  • ・前期と後期では、後期のほうが倍率が高い
  • ・前期試験を実施する大学が多く、後期試験は少ない
  • ・ほとんどの受験生は「前期で確実に受かる」大学を選ぶ
  • ・難関大学は入学が難しいだけあって受験数は少なく、倍率も低い

となります。国公立大学では私立大学のように複数の大学を受験することができないため、より確実に合格できる大学を選ぶ受験者が多いということですね。

有名私立医学部の志願者数と倍率

有名私立医学部の志願者数は、年々増加傾向にあります。受験者数も国公立よりもはるかに多く、人気大学であれば1,000人を超えているところもあります。前期・後期に関わらず私立大学の倍率は非常に高いといえるでしょう。

倍率の高さに関しては国公立と比べると2倍以上にも及び、人気の私立大学に入学するには狭き門のようです。国公立の滑り止めとして私立大学を受験する方だけでなく、入試への負担が少ない私立に絞って専願受験する受験生も多いからと言えます。

また、私立大学は国公立大学に比べて偏差値が低めになっているという点があります。私立大学は受験日が被らない限り複数の大学を受験することができるので、国公立に自信がない方が私立大学を狙って複数の大学を受験しているということも少なくありません。

ここで私立大学の倍率を左右する原因をまとめてみると、

  • ・試験科目の増加
  • ・センター試験の難易度
  • ・入試日程
  • ・前年度の倍率が低い大学

私立大学の試験の多くは3科目が基本ですが、中には小論文の追加といったように試験内容を新たに追加する大学もあります。これまでは受験の負担が少ない点がメリットのひとつでしたが、試験内容が増えることで受験生が敬遠してしまい、志願者数が減少する場合があります。

2つ目の原因としては、センター試験の難易度が考えられます。センター試験の難易度が高くなった年は私立大学の倍率が高くなる傾向があり、センター試験で予想以上に点が取れなかった受験性が、滑り止めとして私立大学に流れるからです。センター試験が難しい年は、私立入試も激戦になるかもしれませんね。

次に考えられるのは、入試日程の重複です。私立大学は日程と時間さえ合えば複数の大学を受験することができるため、一見志願者数が分散されるように思いますが、反対に他大学と入試日程が重複しない大学においては倍率が高くなる傾向があります。受験生にとってはできるだけ多くの大学を受験したいものですから、入試日が重ならない日には多くの受験者が集まることを頭においておきましょう。私立大学の入試日程は毎年変わるので、前もって受験する大学の入試スケジュールを確認しておきましょう。

最後は、国公立大学でも起こり得る現象なのですが、志望校を選ぶときには前年度の倍率を見て決める方が多いと思います。前年度の倍率が低い大学があれば、「狙い目」として受験者が集中する場合があります。これを「隔年現象」と言います。皆が倍率の低い大学を受けることで、今年の倍率が高くなってしまうというわけですね。前年度の倍率だけに囚われて倍率の低い大学を選ぶと、思わぬ失敗をしてしまうかもしれませんので慎重に判断して決めるようにしましょう。

国公立と私立、両方受けた方がいいの?

何が何でも医学部絶対合格!を最終目標に掲げるのなら、チャンスを広げるために国公立の医学部と私立の医学部、単純に両方受けた方がいいのでは?と思うかもしれません。もちろん、国公立を目指せるだけの学力をクリアしている人なら、両方を受験するのはよいかもしれません。

けれど国公立を目指すには学力が届かないかも…という人は、無理して両方目指すより私立の医学部1本に絞ることをおすすめします。センター試験の関係で、国公立では5教科7科目の総合力が求められます。一方、私立では大学ごとに入試科目が違うため、国公立の医学部入試でしか出題されない教科の勉強は、私立では全く生かされないことになります。確実に医学部合格を目指すなら、得意分野を生かせる私立の医学部を見つけ出し、志望校の出題傾向に焦点を絞った受験勉強をすることが重要です。

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